「劇場版 BEM~BECOME HUMAN~ には、アニメに望まれる全ての要素がある」
バルト9久々に行きました。
席は前から2列目と強運を発揮してしまった。
まあ中継だから意味はないんだが……泣
なんかお客さんが女性ばっかりだし舞台挨拶にイケメンの声優がいるな〜って思ってたら、オタクが唯一知っているジャニーズであるキスマイ宮田くんだった。
なるほどね。把握
正直、M・A・Oさんの舞台挨拶ってことで飛びついて申し込んだからゲスト声優のこととかなんの情報も知らなかったんですよね。
水樹奈々とか山寺宏一が出るとかも知らなかったからキャラが出てきたときビビった。
声だけでキャストの半分くらいが分かるアニメ。豪華。
ちなみにテレビ版は観てますよ勿論。アニメ得意なので。
さて舞台挨拶。M・A・Oさんは黒の水玉のシースルーチックな服。顔が良い
ベム役の小西克幸さんが超有能で、事あるごとにM・A・Oさんに話させようとするんですね。
振られるたびにええ!?ってなるM・A・Oさんを見てニヤニヤする我。
3回目くらいの振りではもう慣れたのか小西克幸に振られて「はぁーい!」って言うM・A・O さんで笑顔になってしまった。
目キョロキョロするのが良い
ゲスト声優のキスマイ宮田くんについてもいろいろ話していました。声優初挑戦だったということですが、他の3人からもベタ褒めでした。
他の3人からもバージェスの登場する最初のセリフについて、「距離感を掴むのが上手かった」って言われてましたね。
確かに上手かった。言われなきゃ初めてとは思わないくらいでした
宮田くん、アニメに対するリスペクトをもってるからアニメファンとして応援できます。僕よりアニメ観てそう
小野克幸さん曰く、全部見たあとだとEDの歌詞が沁み渡るそうです。
気をつけて聞こうという決意をしました。
アニメ版と違うところは?という質問。
M・A・O「ベラは人間ごっこをしてるので、明るい吹っ切れた感じで演じました」
これを聞いたので注意してみてたんですが、確かにアニメのベラより明るかったです。詳しくは下のネタバレ欄で。
フォトセッションの時、キスマイ宮田くんの誕生ケーキがサプライズで来てめっちゃ笑った。優しさのあふれるコンテンツです。
ベムベラベロとバージェスの絵が乗ったケーキ。デカイ。
ケーキとともに撮るフォトセッション。
さすがジャニーズは笑顔を作るのが上手いなあって感心してた。
フォトセッションの時主題歌が流れてて、「こっちに目線ください」とかカメラマンが言う後ろで「♪くださいくださいください……」って歌詞が流れてて笑ってしまった。
さて、名残惜しいですが舞台挨拶はここまで。
舞台挨拶目当てに来たこの映画ですが、後述の通り内容が素晴らしかったので舞台挨拶の記憶が薄れちゃった。あるある
ジャニオタの皆さん、舞台挨拶終わっても帰らないし声オタより民度高いじゃんってなった。
いよいよ本編開始。
スタッフを観て気づいたんですけど、監督とか変わってますね。
博史池畠は僕が信頼するところの監督なのでこの時点で勝利を確信します
!!!!!以下は深刻なネタバレを含みます。未視聴の人は下の赤文字まで飛ばしてください!!!!!
以下、セリフはうろ覚えだけど許して
ソニア・サマーズ捜査官の語りで始まります。今作の主役は彼女です。
製薬会社のドラコ・ケミカル社が怪しいらしく上司の制止を振り切って捜査を開始します。
一方描かれるのはベムの家族生活。ベルムと名前を変えた彼はなぜか人間の奥さんと2人の子供をもち仲良く幸せに暮らしています。
さらに製薬会社で広告マンとして働いている。不思議?
2人の子供(アメリアとマシュー)がそれぞれベラとベロに似た外見だけど、ベロは明確に違うショタ声だからいいとしてベラの声が微妙に違う気がした。自信なかったけど。
最後のキャストロールでアメリアとマシューの声優さん見逃した………確かめたかったのに(´・ω・`)
その頃、ソニアはあっさり薬物の取引現場で悪者に捕まります。腹パン&触手シーン。
そこに助けに来るのはベロ。やっぱりベムの子供(マシュー)はベロじゃないんだと理解。
ベラはウェイトレスのバイトをしていました。
「人間ごっこ」をしているらしいです。M・A・Oさんが言ってたのはこれですね。
というかベラの服が可愛すぎて声出そうになった。
家で見てたら絶対萌え〜〜って言っちゃうレベル。メイド喫茶でバイトしてくれ。
人間じゃないからコーヒーの味がわからないベラ……♡
ソニアの捜査協力要請をベラは拒否。
「普通の女の子は怪物と戦わない。危ない取引現場なんか行かないし……変身したりもしない」という言葉がすごく心に来ます。
ソニアとベロだけでドラコ社の捜査を進めることに。
コンビナートとビル街で妖怪人間3体と戦うベロのシーンがめちゃくちゃ動いてて、360°カメラが動き回る感じで最高にアニメでした。
こういうのを劇場で見ると気持ちいいよね。
ベムの方で記憶は急展開します。
ベムは薬で記憶に蓋をされてて、日常を演じていた家族や街の人はみんな妖怪人間が人間の擬態をしていただけでした。
ベムの街が全員妖怪人間になるの、日常の崩壊を表していて良い
唯一妻のエマだけは人間でしたが、妖怪人間に改造されてベムを襲います。
自分が人間でないと明かしたベムに対し、エマはそれでもやはりベムを愛してて……からのエマ妖怪化はショッキングだった。
戦いの途中、異形と化したエマの目涙が浮かんで、「これはもしかして愛の力で人間に戻る展開か?」と思ったけどそのままベムに殺されたので二重に突き落とされる感じ。
ちなみに最初ベラとベロなのかと思ってたアメリアとマシューは、2人から作った人造妖怪人間にガワを被せたから見た目が似てたんですね。よくできてるなあ。
作為的なミスリードですかね。やられた。
ソニアが再びベラの店に行きますが、やっぱりベラは拒否します。
そこでソニアの言葉。
「これは人間の起こした事件、あなたに協力を求める理由にはならないもんね」
このとき見せたベラの苦い表情がなんとも印象的です。
そのあともベラはソニア達が気になるようで、客に注いでいるコーヒーをこぼします。その時のやりとりがすっっっっごく良かったんですよ。
客「熱っ!こぼしてるよ!」
ベラ「すみません! すぐ吹きますね」(手で布巾を持って拭く)
客「! 熱くないの?」
ベラ「全然?…………あ、あっつーい! えへへ……」
ここすごく良かった。セリフだけじゃ伝わらない表情・声色をぜひ劇場で見てほしいんです。
ドラコ・ケミカル本社に行き警察手帳を見せて社長へ面会を求めるソニア。
門番デブ(名前忘れた)が「僕とご飯に行ってくれるならいいですよ」じゃあないんだよ。鼻の下伸ばすな。
それに良いけど……って答えるソニアでちょっと萌えですね。
が、バージェスに麻酔銃で撃たれて捕まるソニア。これはちょっと軽率だったのでは?ってなってしまった
ベムは街中の妖怪人間を倒し、ドラコ・ケミカル本社へ行きます。
妖怪人間多すぎてここはちょっと笑った。画面に何百とキャラがいると笑っちゃうの、アニメ視聴者あるある
そこへバージェス登場。
妖怪人間に返信します。
ベム達とは違い、騎士甲冑みたいなスタイリッシュな見た目。
でも瞬殺。ベム強すぎ。
黒幕はドラコ社長でもDrリサイクルでもなく、なんとマンストール。錬金術師で何百年も生きてるヤバいやつでした。爵位持ち。
まあ声がね。ラスボス感あるもんね………
金髪の妖怪人間が登場。
ソニアが改造されてしまった……と頭を抱える我。
しかしベムは苦悩しながらこの妖怪人間を殺します。
そこへソニア登場。え!?(歓喜)
観てて結局わからなかったけど、あの金髪妖怪人間はソニアじゃないなら誰なんだ……
ここから諸々の動きがあったあと、ベムがソニアに告白。
「私のそばにいてくれ」で僕の乙女心がキュンキュンですよ。悶死。
マンストールによって妖怪化されかけるもベムが指輪破壊したことで間一髪回避。
良かった〜
そしてベラとベロも応援に駆けつけ、圧巻のバトルシーン。
バトルが派手。
映画って感じ。グレタも妖怪人間になるのか〜
グレタもスタイリッシュフォルムでしたね。
ちなみにドラコ社長はグレタに斬首されます。
エルフェンリートの角沢教授みたいな無様に死ぬ権力キャラ、結構好き。
マンストールも変身。
龍みたいなかっこいい感じに。めっちゃデカイ。
今日は見せないって決めてたのに!って言いながら妖怪人間になるベラで切なさに殺されるかと思った。
「これで最後にするんだから!」の言い方な〜
戦闘の途中、ベムの名前を呼ぶソニア。
ベムが来るなと叫びますが、マンストールに胸を刺されてしまいます。倒れるソニア。
ベムは怒りの力でマンストールを倒し、ソニアへ駆け寄りますがその息は絶え絶え。
「あなたと一緒にいたかった……」と言い目を閉じるソニア。
血の涙が異形のベムの目から流れます。
ここでたまらず号泣。
隣も泣いてた。
と思ったらソニア次のシーンで生きてた。代わりにベムがいなくなって。
ベムが自分と引き換えに胸の傷を塞いだ?
ソニアと一体化したみたいな感じなのかな。詳しい説明は無いです。
最後のシーンで元気になったソニアがベムの念力の力を使ったから多分そういう事なのでしょう。
EDで歌詞が重なった。
これは人間になりたいというベムの思いか……
ED後の短いカット。
瓦礫の中から出てくるDrリサイクルと門番デブ。生きてた。
まさか続編か!?
終わり。
すごい映画だった…………大満足です。
「はやく人間になりたい」という言葉から始まるこの映画。
自ずと視聴者はタイトルのBECOME HUMANという意味について考えさせられる。
まさにそれは脚本の狙いで、視聴者はその答えを探りつつ観るよう誘導される。
最初、ベムが家族を持ち自然に暮らしているように見えたとき、まさかこれが「BECOME HUMAN」なのか?と思った。もちろんそんな訳はなく、その日常は作られた虚構であった。
そして「人間ごっこ」をするベラ。本人は楽しんでいるが、それは人間ではないと暗に伝えるソニアの一言に顔を曇らせたベラを見ると、やはり「人間"ごっこ"」に過ぎないのだ。これもBECOME HUMANたりえない。
マンストール伯爵が求める自我のない妖怪人間も、バージェスが己をそうだと言う自我をもった妖怪人間も、やはり人間たりえなかった。
このタイトルは何を表すのか?
数々の疑問を種明かしとともに残酷に打ち砕いたあと、最後の最後に明かされたこと。
ソニアの体の一部になることが、ベムの「人間になりたい」という願いを叶えることだった。
そして最後に、ソニアとベムの声が重なる。
「はやく人間になりたい」と。
いや〜〜〜〜
この構成ですよ。
疑問を持ちながら物語を観ている視聴者を、欺き、傷つけ、そして最後に提示される感動のラスト。感動という言葉だけではあまりに複雑な彼らの思いを表現することはできません。
これはたまりませんでしたね。
あと、ベラのクラスの眼鏡くんが医大に行ったって情報が出てきて感情になった。その時の名前はベラではなくアナベラでしたね。懐かし〜
テレビ版ファンへのサービスを忘れないBEM、好きすぎ。
!!!!以上ネタバレでした!!!!
劇場版BEM、すごく良い映画だった……
僕が好きなアニメの展開である、
・薬物などの非合法的実験シーン
・上下前後左右に動き回る戦闘1vs複数の戦闘
・普通の日常に憧れる普通じゃない女の子
・正体を知ってなお愛し合う男女
・主人公の戦いの途中にヒロインが名前を呼ぶ
・愛する人を助けるために自分の命を投げ打つ
が全部入ってました。
ここまで自分の好みにカッチリハマったアニメそうそう出会えないというか、初めて見たかも。
内容としてはアニメ版の知識が必要な箇所はほとんどなかったように思います。
ただ、アニメ版のネタが出てくるので、必須ではないけど知ってた方が楽しめるかな?
めっちゃ良かったな……
良すぎて放心状態になっちゃった。
あと妖怪人間が人間フォームに戻る時裸になるという天才設定を引き続き映画でも使ってくれたのが嬉しい。
皆さんも見てみてください。
絶対気に入りますよ。
ここ5年で観た映画でいちばん良かったな………感情
感情すぎて感想出てこないやつだ…………
パンフレットをください。お願いします
2020.9.19